スノーケリングでの注意

【バディと合図】

 スノーケリングもスキンダイビングもスクーバダイビングも、その行動において重要な基本原則があります。それはバディ(buddy:仲間)システムといって、複数の人数で行動することです。最小単位は二人一組で、大勢で行動する場合も、誰と誰がバディだ、というようにしておきます。広く深い海を一人で行動していて、何か危急の事態でも起こったら、どうしようもありませんから、バディということを最優先にしてください。

 バディは、お互いの状況を監視し合い、安全を確保する方法なのです。また、海に入れば視覚や聴覚などの感覚が、陸上にいるときと同じように働きませんから、それらもお互いに補完し合うという相棒なのです。

 お互いコミニュケーションをとるには、水面にいるスノーケリングの場合、顔を水からあげて話すのもいいですが、下図のような手信号で意志の疎通は図れます。

合図

大丈夫(です、ですか) ダメ(です、ですか)

 もし、疲れたり異常が起きたりして、「助け」が必要なときは、下図のような合図を送って救助やヘルプを求めます。       
見よ、あるいは、
ものを指す
あっちへ、あるいは、
こっちへ(行こう、
行きなさい)
「たすけてー!」、
水面をたたきます。
ボートで迎えにきてー!」、
「ボートに乗せてー!」、
手をあげます。

スキンダイビングでの合図
スクーバダイビングでの合図

 最近、子供にスノーケリングやダイビングを習わせたいとう方も増えています。子供の天性でしょうか、子供にスノーケリングをやらせてみると覚えが早く、すぐ自由に泳ぎ、学校のプール程度の深さなら簡単に潜れるようになってしまいます。

 スノーケリングやダイビングは、海での活動を前提にしているので、子供がスノーケリングや学校のプール程度の深さのダイビングができるからといって、子供だけを海に放すことは慎まなければいけません。海には、波や流れがあり、行ってもいい場所やいけない場所があります。また子供たちがいちばん興味を示す生物も多種多様で、中には触ったりしてはいけないものもあります。

 このような自然に対する判断は子供にはできません。子供のスノーケリングやスキンダイビングは、指導者のもとでとか、お父さんお母さんがスノーケリングやスキンダイビングをよく知ることが大切で、判断はやはり大人がしなければないません。自然を知ったり、その対処の仕方を覚えたりするのは、歳や経験とともに育っていくものですから、くれぐれもいっしょにいるようにしてください。

 
【風】

 海洋編で示したように、海にはさまざまな現象があります。これらのことをしっかり理解して実際活動にのぞんでください。
 スノーケリングは海面活動ですから、風の影響も受けます。海面に吹く風によって知らず知らずに流され、気がつくと、とんでもなく遠くに来てしまっていることがあります。海中の景色に夢中になっていると、こんなことにもなります。
 たまには、陸をみて自分の位置を確認し、離れていると思ったら早めに修正しておくことが大切です。