【ウエットスーツの種類:素材から】
ウエットスーツには、ゴム地だけの素材で作られたものと、ゴム地の片面あるいは両面にジャージを貼ったものがあります。前者をスキンのスーツ、後者をジャージのスーツといっています。元来、ウエットスーツはスキンだけでしたが、着たり脱いだりするときに、強く引張ったり爪を立てたりすると、破けてしまうので注意しなければなりません。このスキンの強度を補完するために、ジャージを貼りました。これによってウエットスーツの強度は数倍あがったほか、繊維なので染色しやすく色も豊富でファッション性も向上しました。
[ゴム地の厚さ]
ウエットスーツの保温力を決定づけるのは、ゴム地の厚さです。薄いものと厚いものでは、詰まっている気泡の数すなわち空気量が違いますので、厚い方が温かいです。ゴム地の厚さは、製造規格として種々ありますが、ダイビングに使われるウエットスーツの厚さとしては、3mm、5mm、6mmが主流です。
[スキンとジャージ]
同じゴム地の厚さなら、スキンでもジャージでも水中の保温力はさほど変わりません。しかし、水から出たときは、スキンは水はけがよくすぐに乾くので気化熱による熱損失が少ない、ジャージは繊維に水を含んでしまうので水はけも悪く乾きにくいので熱損失が大きい、という性質があります。
[スキンのウエットスーツ]
一般的に使われるのは、両面フラットスキンを呼ばれるもので、表と裏の面がツルツルしています。このウエットスーツは、滑りが悪くて着にくいので、シッカロールをまぶしたり、水に入ったり、シャワーしたりして着ます。最近、輻射熱を利用して保温力を高め、また着やすくするために、肌側になる面に微細なアルミニュウムの粒子で表面加工(サーモとかメタルとかいう)をしたものがあります。
[ジャージのウエットスーツ]
スタンダードジャージといわれている繊維素材を、片面にほどこしたものを片面ジャージ、両面にほどこしたものを両面ジャージと呼んでいます。
・ 片面ジャージは、ジャージ面を表にするか裏にするかは使う人の好みで、泳ぐ際の摩擦を少なくしたい人は、表をスキン裏をジャージというようにしています。
・ 両面ジャージは一般的に、片面は黒で、もう一方には様々な色のジャージが貼ってあり、好みの色の組合でカラーコーディネイトも楽しめます。
ジャージを肌側にした場合、身体もウエットスーツも乾いていれば着やすいですが、濡れているとかえって着にくくなります。これを解消するために、起毛をしたり伸縮性を変えたりして、着やすくしたジャージのスーツも作られています。
[表のジャージ]
ファッション性を良くするために、表に光沢のあるジャージを貼った素材で、オペロンとかライクラとかいわれるジャージを貼ってあるものです。
[ウエットスーツの厚さと表面加工の一般的な組み合わせ]
参考までに、レジャーやスポーツダイビングで使われる一般的なウエットスーツの厚さと表面加工の組合せを表にしました。メーカーによって、素材の呼び方などが違いますので、ダイビング専門店でよく説明を受けて購入することが大切です。
厚さ
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表面加工
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3mm
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片面スキン・片面ジャージ
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両面ジャージ
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片面ジャージ・片面サーモあるいはメタル
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5mm
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両面スキン(最近では、片面サーモあるいはメタルのものが多い)
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片面スキン・片面ジャージ
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両面ジャージ
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片面ジャージ・片面サーモあるいはメタル
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6.5mm
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両面スキン
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片面スキン・片面ジャージ
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【ウエットスーツの種類:スタイルから】
現在使われているポピュラーなスタイルです。ジャケットにはファスナーの無いカブリ形、丈を長くして股掛けを付けた形のものがあります。
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