【バルブ】
タンクには、空気を出したり、止めたりする栓がついています。バルブといいます。多くはKバルブといって、単に空気を出したり止めたりするタイプです。材質は、真ちゅう(黄銅:brass)で、クロムメッキがほどこされています。バルブ本体の外観でいうと、次の部分で構成されています。

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タンクと連結するネジ部(タンクとバルブの間には、Oリングが入る)
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A
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レギュレーターを取りつけるバルブヘッド部
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B
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栓を開閉するバルブコック
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C
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タンク内圧力が極端に上昇したとき、タンク内の空気を逃がすための安全弁
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D
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万が一タンク内部に錆びが出たり、異物が入ったりしたとき、それらの細かい錆や粉塵がレギュレーターに行かないようにするサイフォン管
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タンクとバルブの接続は、メーカーやタンク検査場で行ないますので、よほどのことでもない限り(注3)、一般ユーザーがバルブを付けたり外したりすることはありません。
スクーバタンクの使用には、次のことに留意してください。
バルブヘッドには、空気孔があり、ここにレギュレーターを取りつけるのですが、空気孔のまわりの溝にOリングというパッキンが付けてあります。このOリングがないと、レギュレーターを付けても空気が漏ってしまい、タンクもレギュレーターも役にたちません。Oリングは、小さなゴムの輪っかですが大切なものなので確認を怠らないようにしてください。
バルブは外からの力によって損傷を受けやすいところです。特に、バルブコックに連結される軸は曲がりやすいので、タンクは転倒させないようにしてください。タンクにレギュレーターやBCを付けて準備ができたら、寝かしておくようにします。 また、ダイビング中に、バルブコックが岩などにあたると、軸や開閉ディスクを損傷しますので、バルブコックを全開してから、1回転くらい戻してください。あらかじめ、バルブの動きに余裕を持たせることによって、軸や開閉ディスクの損傷を防ぎます。
ここで、ご注意!
タンクにレギュレーターやBCを付けタンクの圧力も確認しました。しかし、ここからダイビングまで時間があるとき、何かの拍子でレギュレーターのパージボタンやBCの吸気ボタンが押されていると、タンクの空気は大気中に逃げていってしまいます。そのためにバルブを再び閉めますが、このバルブを閉めたのを忘れてダイビングすると、来るはずの空気が来ない、それによってパニックにおちいり命を落とす人もいます。事故原因としては多いほうですから、背負う前に必ずバルブが開いているかの確認を怠らないようのしてください。
また、バルブは全開してから1回転ほど戻しますが、戻しすぎると空気の出が悪くなります。空気を吸ったとき残圧計の針が下がり、しばらくすると残圧値を指すといった針の振れがあるときは、バルブがちゃんと開いていません。やはり、タンク圧力チェックはパージボタンだけによらず、吸ってみたほうが確かです。
(注3)
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例えば、僻地でダイビングするなど、飛行機で輸送する場合にはタンクとバルブを外すことがあります。
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