【スクーバダイビングの鉄則】
水深にして1.2m位から息をはかないで浮上しても、肺の過膨張による障害は起こるといわれます。
○浮上中息を止めてはいけません。普通に呼吸をしています。
○急激な浮上はいけません。
息を止める・急激な浮上などは、何かに驚いたり不安になったりして、自己制御ができなくなった(パニック状況)ときに起こしやすいものです。パニックは、さまざまな心理的要因や肉体的要因で、突発的に恐慌状態になることです。
パニックに陥らないためには、心理的、肉体的に強くなるほかありません。大事なことは、海やダイビングに慣熟(かんじゅく)していくことです。これが、ダイビングはキャリアのスポーツといわれるゆえんです。
もし水中で困ったときは、次のセルフレスキューの手順で行動を組みたててください。
まず、止まる(泳ぎなどを止め、岩などにつかまり、深呼吸をするなどして気持ち身体とも落ち着かせる)。
二番目に、考える(浮上するか、浅い方へ戻るかなど、安全をバディとともに次の行動を決める。)。
最後に、行動する(二番目の考えに沿った行動をとる)。
また、水中の世界に魅せられ、ついつい残圧計を見るのを忘れエアーが切れてしまったり、タンクなどが何か引っかかって、器材をはずして浮上しなければならなくなったりして、呼吸が確保できなくなった場合は、次の方法によって浮上します。
○バディのオクトパスレギュレーターをもらい、通常の浮上をする。
⇒オクトパス呼吸
オクトパスレギュレーターは今や標準装備ですが、バディがオクトパスレギュレーターを装備していなかったら、
○バディのレギュレーターを交互に呼吸して浮上する。
⇒バディ・ブリージング
バディブリージングは、それぞれの呼吸回数は2回づつで、レギュレーターをもらったら、まず、もらったレギュレーターの水をだすために吐いて(レギュレーターのパージボタンを押してもよい)、吸って、吐いて、吸って、返す、を繰り返します。このとき、レギュレーターを使っていない人は、息を吐き続けています。
万が一、エアーが切れバディともはぐれ、自分一人で浮上しなければならなくなったときは、
○水面まで、息を吐きつづけながら浮上します。(注2)
⇒緊急スイミングアセント(フリーアセント)
息を吐きっぱなしで浮上するなんて苦しい、と思われるでしょうが、練習を重ねればその思いも遠のきます。
しかし、この方法も完璧ということでないので、エアーを切らす状況にならないこと、もしこうなったら、バディからオクトパスレギュレーターをもらい、通常の浮上をすることが肝要です。
オクトパス呼吸、バディ・ブリージング、緊急スイミングアセントの練習は、必ずインストラクターのもとで行なってください。
(注2)
|
水泳では、水中に息をだすことをバブリングといっています。
|
|