【光の屈折】 
水中は陸上での感覚が狂うということは、前にもいいました。スノーケリングにおいても、そのことも先に覚えておきましょう。
水中のものは、実際の大きさよりも大きく、しかも近くに見えます。
光は空気以外の物質を通過するとき、その境界面で屈折します。この現象は、物質によって光が通過する速度が違うためにおこります。光の入射角と屈折角には、異なった物質の境界面によって決まる一定の法則があり、これを屈折率といいます。液体や個体の屈折率は空気に対しての値で、水の屈折率は1.333です。
マスクを着けて水中のものを見ているときには、水、マスクのガラス、マスク内の空気という三つの異なった物質を屈折しながら通過する光を見ていることになりますが、ガラスの屈折率は1.52〜1.76で水の屈折率に近い値なので、水中のものを見るときの屈折関係は空気と水と考えてよいでしょう。
この光の屈折という現象で、水中のものは、実際の大きさよりも4/3つまり1.3倍も大きく見え、また距離にして3/4に近づいて見えるのです。
余談ですが、釣り上げようとしたとたん魚に逃げられた釣り人が、逃げた魚は大きかったというのも、この現象で説明できるのではないのでしょうか。
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